〜初心者はまず「分速150打鍵」を目標に〜
初版： 1999年02月03日
最終更新： 2000年06月06日
[トップへ]／[二つ上は： 親指シフト・メインページ]／
[一つ上は： はじめてのNICOLA]
まずお断りしておきますが、NICOLA(親指シフト)キーボードを使うことの最大のメリットは、スピードの速さではなく、「誰が使っても楽だ」という点、すなわち、
という点にあります。そして、これらのメリットは万人が享受できるものです。(^-^)
確かに、スピードが速いということもメリットです。しかし、それは「合理的で快適な運指」の結果生まれた、いわば「副産物」なのです。ワープロ検定やコンテストなどで、上位入賞者を親指シフト使用者が占めているという事実は、「NICOLA(親指シフト)はプロの道具だ」ということを意味するのではなく、
という事実を示しているのです。プロ・ユースにも耐えるだけの「すぐれた基本設計」 をNICOLA(親指シフト)は持っているというわけです。
JIS かな入力やローマ字式入力など、他の入力方式から NICOLA 式かな入力に移ってきた方の場合、まずは
★分速150打鍵(ストローク)を目標とする
とよいと思います。あとで述べる通り、この速度なら JIS キーボードを「NICOLA化」して使う場合でも、十分到達できるレベルです。このスピードは、決して達成困難な速度ではないと思います。
日本語入力コンソーシアムのWebサイトに、Lesson-Q という名前の親指シフト(NICOLA)タイピング練習ソフトが登録されています。これはオアシス専用機に付属している「補助」フロッピィのタイプ練習ソフトとほぼ同じ内容のものです。この練習ソフトでは、
が「目標値」となっています。秒速換算だと「3打鍵／秒」で「180打鍵／分」に相当しますから、それよりも少し遅い「150ストローク／分」あたりが、「実用レベル」の目標値だというわけです。
さて、NICOLA 式かな入力と QWERTY-ローマ字式入力との「打鍵数」を比較すると、対象とするテキストによってある程度の違いが生じますが、NICOLA 式かな入力の打鍵数を「１」とした場合、QWERTY-ローマ字式入力では、
打鍵数が増加するという違いがあります[*注]。
[*注] NICOLA式かな入力とQWERTY-ローマ字式入力との「打鍵数」の差異については、次の二つの資料を参照してください： (1) まず最大差の「約２倍」については、「打鍵数と入力速度の関係」（富士通サイト OASYS WORLD の資料「キーボードを科学する」 page 5 に掲載されている） ； (2) 次に、最小差の「約1.7倍」については、大島章嘉 他 財団法人日本能率協会．「標準時間法による入力方式別スピード比較実験」 （神田泰典さんのサイトで紹介されたもの）
この「最小差」の「1.7倍」とした場合でも、かりにNICOLA 式かな入力で「分速150打鍵」できれば、QWERTY-ローマ字式入力に換算すると、
に相当することになります。
さらに上達して、NICOLA式かな入力で分速200ストロークとなると、
に相当します。これは、QWERTY-ローマ字式入力としてはかなりハイレベルだと思います。それゆえ、分速200打鍵でも、「NICOLA式かな入力」のメリットは十分に享受できます。ローマ字式入力で、分速340ストロークの速度で打てる人は少ないと思います。しかも、指が動いている割には遅いという……。これは経験者なら分かりますね。8-)
ちなみに、専用親指シフトキーボードを使う場合には、この「分速200打鍵」というのは、多くのユーザーにとって十分楽に到達できるレベルです。また以下で述べる通り、「分速200打鍵」程度までなら、JIS キーボード(※できるだけキータッチの柔らかいもの)を NICOLA エミュレーターで親指化した場合でも何とか達成可能です。私も、実際にタイプしてみて、このくらいの速度から、「頭の中を流れる言葉」と「タイピング」とが次第にシンクロしてくるのが分かります。このレベルに達するとタイピングの「快感」も増します。
そのうえで、
★もっとスピードを上げたい
という要求があれば、下記リスト(3)・(4)・(5)の選択を考えてみるとよいでしょう。
※以下は、あくまで「私個人の独断と憶測」によるものです。 また、「分速…ストローク」というのは、文章を考えながら打っているとき (＝打っては考え、打っては考えてタイプしているとき)の「入力中」の速度です。この速度で30分連続して打てるという意味ではありません。
ノート PC の場合、キーボードを付け替えることは出来ません。だから、ノート型で分速240ストロークを維持したいという場合には、現状では富士通のBIBLO 親指シフトモデルを選ぶのが最善の選択だと推測します。もちろん、キータッチが軽く、[親指]代替キーのストロークも深い、NICOLA 化に適したキーボードを持ったノート PC に幸運にも出会うことが出来れば、話は別ですが！