富士通製親指シフトキーボードFMV-KB211をサニコン製 Keyboard Driver で使う方法

～外付け(KB211)キーボード＆ノート機内蔵(OADG JIS)キーボード両方で
親指シフト入力を実現する方法も紹介～

Ver. 1 公開： 2000年1月18日
Ver. 1.05 改訂： 2000年10月13日

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はじめに

富士通から販売されている親指シフトキーボードのなかに、FMV-KB211(以下、KB211と略)という機種があります。KB211をWindows 95/98 環境で動作させるためのキーボード・ドライバーが、（株）サニコンからフリーソフトウェアとしてリリースされています。

このサニコン製KB211用キーボード・ドライバーの特色の一つとして、「一般の日本語106/109キーボード用のデバイス・ドライバーとして使うことが出来る」という点があります。

さて、この特色を活かすことによって、次のようなことが可能になるのです：

ノートパソコンにKB211をつないで使うときに、外付けキーボード(KB211)とノートパソコン内蔵JISキーボードとを、同一のキーボードドライバーで使用できる。したがって、KB211の取り外しの度にキーボード・ドライバーを入れ替える必要がない。
KB211を外したときに、ノートパソコン内蔵の日本語OADGキーボードを、親指ひゅんＱやQ's Nicolatterを使って「親指化」する。

このページでは、上述のような使いこなしを実現するための環境設定方法について説明します。なお、このページには、KB211をデスクトップPCで使っておられる方にとっても有益な情報が含まれています。とりわけ、KB211でATOKを使いたい方は、以下の 3. 2. 3 を読んでみるとハッピーになれるかもしれません。

はじめに
1. サニコン製KB211用キーボード・ドライバーの入手方法
2. サニコン製KB211用キーボード・ドライバーのインストール
3. 外付けキーボードとして、KB211をノートパソコンで使用する際の使いこなし
- 3. 1 ノートパソコンの PS/2 端子にKB211をつなぐ
- 3. 2 日本語IMEとの「相性」
  - 3. 2. 1 日本語IMEとして OAK for Win を使用する場合 (改訂： 2000年1月20日)
  - 3. 2. 2 日本語IMEとしてMS-IME 98 (& 2000)を使用する場合
  - 3. 2. 3 日本語IMEとしてATOK (ATOK11, 12, 13)を使用する場合 (改訂： 2000年10月13日)
  - 3. 2. 4 OAK は使わないが、オアシス風の「かな⇔英字」モード切替を使いたいという場合の対策
4. この環境で、ノートパソコン内蔵キーボードでも親指シフトを利用する方法 (改訂： 2000年1月26日)
《参考》 KB211 + サニコン製キーボード・ドライバーで入力できる文字一覧 (2000年1月20日追加) (追加： 2000年1月20日)
- * 1. 日本語IME ON かなモード
  - ** 1.1 日本語IME：OAK V6 の場合
  - ** 1.2 日本語IME：ATOK12（キースタイル：「OAK/Win (106キーボード用）」)
- * 2. IME OFF, 英数モード

1. サニコン製KB211用キーボード・ドライバーの入手方法

次のWebサイトからダウンロードすることが出来ます。

（株）サニコンのWebサイトの KB211 キーボード・ドライバー配布ページ
http://www.sunicom.co.jp/keyboard/keyboard.html
なお、上のサイトは、日本語入力コンソーシアム公式Webサイトの「ダウンロード・コーナー」からたどることもできます。
http://nicola.sunicom.co.jp/soft/soft.html
このサニコン製 KB211 用キーボード・ドライバーのサポートは、電子メールにて行われています。詳しくは同ドライバー添付のリリースノートをご参照下さい。

なお、上のダウンロード・サイトに登録してあるファイルは、zip形式もしくはlzh形式で圧縮された書庫ファイル(アーカイブ)となっています。これを展開して元のファイルを復元する（＝「解凍する」と言う)には、書庫ファイルを取り扱える何らかのツール(アーカイバ・ソフト)を入手する必要があります。アーカイバ・ソフトの入手が必要な場合は、次のWebサイトを訪れてみて下さい。

統合アーカイバ・プロジェクト: http://www.csdinc.co.jp/archiver/

2. サニコン製KB211用キーボード・ドライバーのインストール

基本的なインストールの手順については、サニコン製キーボード・ドライバー添付のリリースノートの説明を読めば必要十分な情報が得られます。Windows 95 と Windows 98 とで、キーボード・ドライバーのインストール方法が異なるのですが、その点についても付属説明文書で解説されています。

以下、インストールの際に参考となる事がらを挙げておきます：

サニコン製KB211用キーボード・ドライバーをダウンロードしたあと、書庫ファイルを解凍するときに、新規フォルダを覚えやすい名前で作成しておき、そこに解凍したファイルを格納しておくとあとの作業が楽になる。このフォルダ名をメモしておいてもよいだろう。
サニコン製ドライバーの付属説明文書にあるインストール手順の「ディスク使用」の場面で、解凍したファイルを格納したフォルダ(ディレクトリ)を指定すること。具体的には次の場面である：

Windows 95 の場合
コントロールパネル／キーボード／情報／キーボードの種類／変更 →ディスク使用→配付ファイルのコピー元を指定する場面
Windows 98 の場合
コントロールパネル／システム／デバイスマネージャ／キーボード／プロパティ／ドライバ／ドライバの更新→デバイスドライバの更新ウィザード→次へ→「特定の場所にあるすべてのドライバーの一覧を作成し、インストールするドライバを選択する」を選択→次へ→ディスク使用で参照先を指定する場面

3. 外付けキーボードとして、KB211をノートパソコンで使用する際の使いこなし

※警告※: 以下、このページ末尾までの「サニコン製 KB211用キーボード・ドライバー使いこなし情報」は、このWebページの筆者が、ボランティアとして提供するものです。筆者は、それらの環境設定情報の「有効性」を、筆者に出来る範囲で自分のマシンを用いて確認する努力を行っています。; しかしながら筆者は、以下の環境設定があなたのマシン環境でも正常に動作することを保証できません。それらの環境設定を試行してみる際は、試行者であるあなた自身が責任とリスクを負わなくてはいけません。たとえもし、試行者のマシンでトラブルが発生しても、筆者はいかなる責任もとることは出来ませんし、いかなる保証も出来ません。この点を納得できた人のみが、それらの環境設定を試してみることが出来ます。

3. 1 ノートパソコンの PS/2 端子にKB211をつなぐ

まず大前提として、ノートパソコンにKB211をつなぐためには、PS/2 端子がパソコン側に必要です。

ノートパソコンに PS/2 接続によってキーボードをつなぐ場合には、「PS/2 分岐ケーブル」（「PS/2 スプリッター」とも呼ぶ）を介在させて、外付けキーボードと外付けマウスを接続する場合が多いのです。この「PS/2 分岐ケーブル」には何種類か仕様が存在しており、一部のケーブルでは外付けキーボードを接続することが出来ません。筆者がThinkPadをKB211と接続するのに使用したPS/2分岐ケーブルは次の製品です：

サンワサプライ：「PS/2 スプリッター」型番 KB-PSY02K2 (定価￥1,600)

なお、サンワサプライからは、KB-PSY02K1 という型番の「PS/2 スプリッター」も出ていますが、私が試してみたところ、こちらでは外付けキーボードは動作しませんでした。（この点は、KB-PSY02K1 のパッケージにも明記してあります。）

3. 2 日本語IMEとの「相性」

3. 2. 1 日本語IMEとして OAK for Win を使用する場合

日本語IMEとして OAK for Windows を使っている人は、おそらく「オアシス互換」の操作性を求めていることでしょう。KB211は基本的にOAKとは相性がいいようです。

他方、日本語IMEとして、MS-IME98/2000 やATOK11, 12, 13を使っている人は、KB211の使用にあたっては、若干注意すべきことがあります。とくに、ATOKを使いたい人は、下記 3.2.3 を必ず読んで下さい。

なお、 OAK for Win （および OASYS for Win）には KB211 用のキーボード・ドライバー（富士通製）が付属しています。だから、この場合には敢えてサニコン製KB211用キーボード・ドライバーを導入する必要もないのです。しかし、何らかの理由によってサニコン製ドライバーを使用したい方のために、次に「KB211用サニコン製ドライバー＋OAK V6」を例にとってインストールの際の注意点を整理してみました。

私が採った「KB211用サニコン製ドライバー＋OAK V6」のインストール方法

キーボード・ドライバーが「標準」状態で------日本語106キーボード(Ctrl+英数)------まずサニコン製キーボード・ドライバーをインストールする。キーボード・ドライバーのインストール方法については、サニコン製ドライバー付属文書を参照。インストールが完了したら、メッセージにしたがって、マシンを再起動する。
標準の日本語IME(Default IME)を、MS-IME98 に設定する。（これはソフトウェアをインストールする際にできるだけトラブルを避けるための「おまじない」のようなもの。）
マシンを再起動する。
OAK V6 をインストールする。その際、不必要なアプリケーションはあらかじめすべて終了させておく。
OAK V6のインストールダイアログでは、「キーボードタイプ」として、「日本語１０６・１０９キーボード」を選択した。ここで「親指シフト(KB211)キーボード」を指定してしまうと、サニコン製キーボード・ドライバーが使えなくなるはずなので注意。
OAK V6 を「標準の日本語IME」として指定した。（→これは不可欠ではない。）
マシンを再起動する。
OAK V6 の環境設定（プロパティ設定）「環境設定／キー／キーボード指定」で「日本語１０６・１０９キーボード」と指定。KB211をサニコン製キーボード・ドライバーで使うには、ここで、キーボードを「親指シフト(KB211)」を指定しないことが大切。

この状態で、～『』々￡￠といったOAK独自指定の文字をサニコン・ドライバーでも使用可能になる。

3. 2. 2 日本語IMEとしてMS-IME 98 (& 2000)を使用する場合

筆者は、MS-IME98 しか持っていません。したがって、次に述べることはMS-IME 2000 では事情が一部異なっている可能性があります。まずこのことをお断りしておきます。

MS-IME 98を例に採ると、MS-IME 98 のプロパティ／全般／「キー・ローマ字／色の設定」で、「MS-IME」を選択すると、「オアシス風」の「無変換キー連打による"全角ひらがな→全角カタカナ→半角カタカナ→全角ひらがな"のトグル変換」が出来るようになります。

MS-IME98 (& 2000)には、かなり優れたキーカスタマイズ機能が備えられています。この「オアシス風かなカナ変換機能」は、MS-IME 98 のプロパティ／全般／詳細設定をクリックして、「詳細プロパティ」画面を見ると、「かな変換」という機能名に割り当てられているようです。自分でキーカスタマイズを行いたいがこの機能は残しておきたいという場合には、「かな変換」を「無変換」キーに割り当てておけばよいでしょう。その際には、MS-IME 98 のオリジナル設定を参考にすればよいわけです。

3. 2. 3 日本語IMEとしてATOK (ATOK11, 12, 13)を使用する場合

ATOKシリーズは、大変人気のある日本語IMEです。しかし、ATOKを標準設定のままKB211で使おうとすると、次のような「不具合」が生じます。

KB211の最上段キー、もしくは「，」を含む一部のキーを打鍵する度に、入力モードが「英数」になってしまう

これを回避するには、ATOKのプロパティ／キー・ローマ字・色／スタイル一覧で、OAK/Win (106キーボード用)もしくは MS-IME, VJE, WXG, NECAI文豪DP対応のいずれか一つを選択して下さい。これによって、上の不具合を回避できる可能性があるようです。

なお，以下の方法は KB611 + ATOK という環境でも有効であるとの報告を受けています。ただし，以下を KB611 で試すときには，キーボード・ドライバーは KB611 用のまま結構です。KB611 を使うのに KB211 用のドライバーをインストールするのは基本的には誤った方法です。(この段落，2000年10月13日に追加)

次の情報は、nifty:FKBOARD/MES/13/394 (10/Dec/1999)におけるミルラさんのご発言に基づいています：

ATOKで親指入力する場合、ATOKのプロパティ／キー・ローマ字・色／キーカスタマイズで、

「英数」キーの機能割り当て→入力文字種全角無変換（Ａ）
「ひらがな」キーの機能割り当て→入力文字種全角ひらがな（あ）

に設定されている必要があるそうです。
また「かな入力」ですから当然、プロパティ／入力・変換１／「漢字入力モード」を「カナ漢」に設定します。
あと、もうひとつ、かな制御ですね。プロパティ／入力・変換２／自動かなロックは「する」に設定です。

VJEとかOAK/Winのキースタイルではそのように設定されていますが、
ATOK関係のキースタイルでは、

「英数」キーには、なにも設定されていませんし
「ひらがな」キーには、　カナロックON/OFF　が設定されておりました。

それで、最上段がうまく入らなかったんですね。

（※分かりやすくするために、オリジナルの発言に一部加筆しています。Thanks >ミルラさんそして R社様。）

なお、サニコン製ドライバーのリリースノートに次の記述があります：

本ドライバとATOKを使用した場合、正しく入力できません。「英字」キーで"英数モード"と"かなモード"をトグルするIMEの設定では正しく動作しません。「英字」キーで"英数モード"に、ひら／カナで"かなモード"に設定されるようにIMEのモードを設定すると正しく動作する可能性はあります。

繰り返しになりますが、ATOKをKB211で使用する場合には、「英数」キーの機能割り当て→入力文字種全角無変換（Ａ）、「ひらがな」キーの機能割り当て→入力文字種全角ひらがな（あ）という設定が必要であると推測されます。

上述の通り、ATOKのプロパティ／キー・ローマ字・色／スタイル一覧で、OAK/Win(106キーボード用) もしくは MS-IME, VJE, WXG, NECAI文豪DP対応のいずれか一つを選択することによって、このトラブルを回避できる可能性があると推測されます。なお、ATOK12以降、キーカスタマイズがATOKの動作状態ごとに詳しく設定できるようになりました。上記のキー・スタイルでは、初期設定で次の表のように「英数」および「ひらがな」キーに対する機能割り当てが行われています。

キー文字未入力入力中変換中次候補表示中全候補表示中文節区切り直し半角入力記号入力

「英数」キー入力文字種全角無変換(A) 入力文字種全角無変換(A) 入力文字種全角無変換(A) 入力文字種全角無変換(A) 入力文字種全角無変換(A) 入力文字種全角無変換(A) 設定なし設定なし

「ひらがな」キー入力文字種全角ひらがな(あ) 入力文字種全角ひらがな(あ) 入力文字種全角ひらがな(あ) 入力文字種全角ひらがな(あ) 入力文字種全角ひらがな(あ) 入力文字種全角ひらがな(あ) 設定なし設定なし

※この表はATOK12の例です。ATOK12の「プロパティ／キー・ローマ字・色／キーカスタマイズ」画面の「設定一覧(L)」表の下にある「機能(F)」「キー(K)」という二つの表示形式のうち、「キー(K)」をクリックして、キーに対して割りつけている機能を表示するように表示形式を変更すること。（この説明、2000年1月25日に追加。）

ただし、ATOK12以降を使うとき、ATOKの「キースタイル」として「OAK/Win (106キーボード用)」を選択すると、「バックスペース(後退)」キーの操作性が悪くなります。これは、「挿入モード」で使用することを前提としたATOKが「上書きモード」で使用することを前提としたOAK/Winの操作性を中途半端にマネているために起こる不具合です。これを改善するには、「後退」キーの操作に関してはOAK/Win との「互換性」を捨てて、あっさりとATOK風の操作に設定変更するのがよいでしょう。

そのための一つの方法は、ATOKの「キースタイル」として、上述のMS-IMEやVJE, WXG, NECAI文豪DP対応の中から選択することです。これらのスタイルでは、「後退」キーの操作の際にATOKのOAK/Win風スタイルを使う場合のような違和感はありません。とくに、MS-IME, WXG, NECAI文豪DP対応のスタイルでは、後退キーの設定はATOKのそれにほぼ準拠するものになっています。

しかし、どうしても OAK/Win の操作スタイルをベースにしたいという要望を持っている方もおられるでしょう。その場合には、「OAK/Win (106キーボード用)」のキースタイルのうち、「BackSpace」キーについて、キーカスタマイズを行えばよいのです。その設定方法をこのページの筆者が使っているATOK12を例にとって説明します（※以下の説明は2000年1月25日に更新）：

ATOKのプロパティ／キー・ローマ字・色／スタイル一覧で、「OAK/Win (106キーボード用)」にフォーカスを合わせて「スタイルの選択(S)」をクリックし、「OAK/Win (106キーボード用)」が選択されている状態で、「追加(A)」をクリックする。
「スタイルの追加」という対話画面で、「新規作成し追加」を選択し、「追加ATOKスタイル」欄のスタイル名とスタイルファイル名を適当に付け、最後に「OK」をクリックする。
「スタイル一覧」に上で追加したスタイルが表示されている。この新規スタイルを「スタイルの選択」で選択した上で、「キーカスタマイズ(K)」をクリックする。
キーカスタマイズ画面が出る。この画面の「設定一覧(L)」表の下にある「機能(F)」「キー(K)」という二つの表示形式のうち、「キー(K)」をクリックする。（すると、すぐ右の表示エリアに「キーに対して割りつけられている機能が表示されています」と案内が出る。）
この画面の右上の方にある「キーを検索(S)」をクリックする。「検索するキーを押して下さい」とメッセージが出るので、KB211の右上隅の"BackSpace"を打鍵する。（ここで、「ん」の右隣の「後退」キーを打鍵しても反応がないはずである。）

5の操作の結果、「設定一覧／キー」のBackSpaceにフォーカスが当たっているはずである。ここ機能割り当てを次のように設定変更する。変更を行うには、マウスポインタを右に移動させて、一覧表の対象となる箇所------ 一番左の「キー： BackSpace」以外の場所！------をクリックしてフォーカスを合わせ、「変更(C)」をクリックし、飛び出てくる「キーの変更」対話画面内の「機能一覧」から希望する機能を選択すればよい。（※下の表の機能変更例はあくまでも一つのサジェスチョンである。）

キー	文字未入力	入力中	変換中	次候補表示中	全候補表示中	文節区切り直し	半角入力	記号入力
BackSpace 変更前	機能なし	カーソル前移動	部分確定	部分確定	変換取消	変換取消	機能なし	機能なし
BackSpace 変更後	機能なし	前文字削除	変換取消	変換取消	変換取消	変換取消	機能なし	機能なし

3. 2. 4 OAK は使わないが、オアシス風の「かな⇔英字」モード切替を使いたいという場合の対策

『秀Caps』というフリーソフトの常駐ツール（『秀丸エディタ』で有名な斉藤秀夫氏作）を使うと、

全角かなモード→"英数"キー１回打鍵→全角英字モード→"英数"キー２回目打鍵→半角英字モード(日本語IME off)→"無変換"打鍵→全角かなモードに戻る(日本語IME on)

というオアシス専用機に近い感覚で入力モードを切り替ることができるようになります。なお、この入力モード切替方式は、富士通の日本語IME"OAK for Windows"を導入して使っているユーザの場合、OAK側(＋富士通製キーボードドライバー)でこのようなモード切替処理を行うので、秀Capsは不要です。しかし、日本語IMEとしてOAK以外の製品------例えば、MS-IME 98/2000 や ATOK 12/13 など------を使っている人の場合、わざわざこの目的のためだけにOAKを購入して日本語IMEを「乗り換える」というのはコスト面でつらいところです。そのような人にとって秀Capsは便利なのです。オアシスのやり方に愛着を持っている人なら、試してみる価値は十分にあると思います。:-)

KB211と秀Capsとを併用する場合の注意: 「秀Capsの設定」画面の「日本語キー」の欄にある、「ひらがな→　」の欄はチェックせずに空欄にしておくこと。

4. この環境で、ノートパソコン内蔵キーボードでも親指シフトを利用する方法

上の「はじめに」で述べたとおり、サニコン製KB211用キーボード・ドライバーは、KB211を接続せずに通常の日本語106/109キーボード（ノートパソコンの日本語JISキーボードを含む）を接続した場合には、その日本語キーボードのデバイス・ドライバーとして利用できるという特色を持っています。

この特色を活用して、Windows ノートパソコン「内蔵」JISキーボードを、サニコン製KB211用キーボード・ドライバーで動作させ、かつ、親指ひゅんＱやQ's Nicolatterと組み合わせることによって、外付けキーボード(KB211)・内蔵キーボード(JIS)ともにNICOLA(親指シフト)を利用することが可能になります。

親指ひゅんＱやQ's Nicolatterの入手法、および導入法については、別ページの説明を参照して下さい。サニコン製KB211が日本語106・109キーボード用のデバイス・ドライバーとして使えるので、この場合の親指ひゅんＱやQ's Nicolatterの使いこなしは、通常の日本語106・109キーボード（含む、ノートパソコンJISキーボード）をこれらのソフトで親指化する場合と変わりありません。

基本的使用法

外付けキーボードのKB211を外した状態で、親指ひゅんＱもしくは Q's Nicolatterを導入する。
なお、KB211の取り付け・取り外しは、必ず電源を切った状態で行うこと。
ノートパソコン内蔵のキーボードを使うとき：
ノートパソコン内蔵キーボード＋親指ひゅんＱもしくは Q's Nicolatter が「起動状態」
外付けキーボードとして KB211 を使うとき：
外付けKB211＋親指ひゅんＱ・Q's Nicolatter が「起動していない状態」

基本的使用法は以上の通りです。

次に、親指ひゅんＱ・Q's Nicolatterをパソコン起動時に自動的に使用可能にする方法について説明しましょう。親指ひゅんＱもしくは Q's Nicolatterをパソコンに導入している場合、親指ひゅんＱやQ's NicolatterをWindows起動時に自動的に立ち上げることが出来ます。

Q's Nicolatterの場合には、インストールの際に「スタートアップフォルダに登録」を選択しておくことによって、Windows 起動時に自動的にQ's Nicolatterが使えるようになります。なお、Q's Nicolatterインストールの際にこの登録を行わなかった場合は、次に紹介する親指ひゅんＱのケースを参考にしてください。

他方、親指ひゅんＱの場合、「起動時自動立ち上げ」を行うには設定が必要です。親指ひゅんＱのプログラム本体（OYAOYAQ.EXE）の「ショートカット」を「スタート／プログラム／スタートアップ」の中に作成する必要があるのです。その作成手順は次の通りです（次の説明は Windows 98の場合。Windows 95の場合もほぼ同じ手順のはずです）：

Windows の画面右下にある「スタート」ボタンをクリックし、「設定」→「タスクバーとスタートメニュー」と進む。
「タスクバーのプロパティ」内の「［スタート］メニューの設定」を選ぶ。
「スタートメニュー」→「追加」をクリックする。
「ショートカットの作成」→「参照」をクリックする。
「ファイルの参照」画面で、親指ひゅんＱ本体「Oyaoyaq.exe」があるフォルダに達するまでフォルダをクリックしてゆく。
「ファイルの参照」画面で、Oyaoyaq.exe が画面に現れたら、「ファイル名」のところが「Oyaoyaq.exe」と表示されていることを確認して、「開く」をクリックする。
すると「ショートカットの作成」画面が現れる。「コマンドライン」のところに上で指定したOyaoyaq.exeの場所（フルパス）が指定されているはずである。この画面で「次へ」をクリックする。
「フォルダの選択」画面に変わる。「ショートカットを保存するフォルダを選択してください」という指示の下に開かれている窓内を、「スタートメニュー →プログラム→スタートアップ」とたどり、「スタートアップ」をクリックする。
「名前の指定」画面に変わる。「ショートカットの名前を指定してください」という指示の下に「Oyaoyaq.exe」と表示されているはずである。とくに名前を変更したいという要求がなければ、そのまま「完了」をクリックする。
「タスクバーのプロパティ」画面に戻る。この画面の「OK」をクリックする。これでWindows起動時に自動的に「親指ひゅんＱ」が使用できるようになる。

次に、「ノートパソコン内蔵キーボードを使うとき」と「外付けキーボードKB211を使うとき」とで親指ひゅんＱ・Q's Nicolatterの「常駐開始⇔解除」切替を簡単に行う方法について説明しておきます。

「親指ひゅん Q」の「常駐開始⇔解除」お手軽切替方法

親指ひゅんＱの場合は、次のような設定を行うと、簡単な「ショートカットキー」操作によって、親指ひゅんＱの常駐開始・解除を切り替えられます：

親指ひゅんＱ本体プログラム(OYAOYAQ.EXE)の「ショートカット」をWindowsデスクトップ上に作成する。ショートカットを作成するには、「マイコンピュータ」で「親指ひゅんＱ」をインストールしたフォルダを開き、OYAOYAQ.EXE を「右クリック」したまま、デスクトップ上にドラッグ・アンド・ドロップする。すると、メニューが飛び出てくるので、メニュー内の「ここにショートカットを作成」を「左クリック」すればよい。
デスクトップに作成された「Oyaoyaq.exe へのショートカット」の右クリック・メニューから[プロパティ]を選択し、[プロパティ]内の[ショートカットキー]を設定する。例えば、[Ctrl]+[Alt]+H などを指定する。(ショートカットキーのテキストボックスにフォーカスを移して、使いたいキー・コンビネーションを打鍵すればよい。)
親指ひゅんＱの常駐解除は、タスクトレイ（通常は画面に右下にある小さいアイコンが並んだ場所）にある「親指ひゅんＱ」のアイコンを「右クリック」すると飛び出してくるメニューから[終了(X)]をクリックして行う。
親指ひゅんＱの常駐開始は、上で指定したショートカットキーによって行う。

一度、1, 2を設定しておけば、あとは 3⇔4の操作だけで、親指ひゅんＱの常駐開始／解除を切り替えられるようになります。なお、「親指ひゅんＱ」の場合には、常駐させたまま「NICOLA配列」のオン・オフを切り替えられるのですが、外付けでKB211を使う場合には、やはり「親指ひゅんＱ」を終了させた方がよいでしょう。

「Q's Nicolatter」の「常駐開始⇔解除」お手軽切替方法

Q's Nicolatterの場合は、次のような設定を行うと、簡単な「ショートカットキー」操作によって、Q's Nicolatterの常駐開始・解除を切り替えられます：

Q's Nicolatter 本体プログラム(QSNICOLA.EXE)の「ショートカット」をWindowsデスクトップ上に作成する。ショートカットを作成するには、「マイコンピュータ」で「Q's Nicolatter」をインストールしたフォルダを開き、QSNICOLA.EXE を「右クリック」したまま、デスクトップ上にドラッグ・アンド・ドロップする。すると、メニューが飛び出てくるので、メニュー内の「ここにショートカットを作成」を「左クリック」すればよい。
デスクトップに作成された「Qsnicola.exe へのショートカット」の右クリック・メニューから[プロパティ]を選択し、[プロパティ]内の[ショートカットキー]を設定する。例えば、[Ctrl]+[Alt]+N などを指定する。(ショートカットキーのテキストボックスにフォーカスを移して、使いたいキー・コンビネーションを打鍵すればよい。)
Q's Nicolatter の常駐解除は、タスクトレイ（通常は画面に右下にある小さいアイコンが並んだ場所）にある「Q's Nicolatter」のアイコンを「右クリック」すると飛び出してくるメニューから[Q's Nicolatterの終了(X)]をクリックして行う。
Q's Nicolatterの常駐開始は、上で指定したショートカットキーによって行う。

一度、1, 2を設定しておけば、あとは 3⇔4の操作だけで、Q's Nicolatterの常駐開始／解除を切り替えられるようになります。

この環境で注意すべき点（後退・取消キーの動作仕様について）

さらに注意すべき点を一つ追記しておきましょう。

KB211の「欠点」とも言うべきことがらに、

「オアシス風」の「後退」「取消」キーが、「かなモード」でしか使えない。「英字モード」では「後退」（前字削除）は右上のBackSpaceを、「取消」は左彼方のEscキーを使わなくてはいけない

ということがあります。ところで、親指ひゅんＱやQ's Nicolatterに標準添付されている「キー定義ファイル」は、このKB211といわば「互換性」が高い仕様になっています。親指ひゅんＱやQ's Nicolatterの「オアシス風」設定では、「オアシス風の後退・取消キー」は「かなモード（日本語IME　ON)」でしか使えません。

それゆえ、ノートパソコンを使うときに、外付けキーボードKB211・内蔵JISキーボード（with 親指ひゅんＱ or Q's Nicolatter）という両方の入力環境で親指シフトを使う場合には、親指ひゅんＱやQ's Nicolatterのキー定義は、標準設定のまま「KB211風の操作法」にしておくとよいでしょう。

ところで、筆者はこのサイトの別ページにて、「和英両モードでオアシス風後退・取消キーを使う方法」を紹介しています。（そのリストの一部を次に挙げます。）

PC/AT互換機ノート「親指化」計画：和英両モードで「オアシス式BS ＝ ";"右隣バックスペース」を実現するには？
OADG キーボード・カスタマイズ実例： OASYS V ノート風

これらのページは、親指ひゅんＱやQ's Nicolatter、そしてOAK(V5/V6/V7)に添付のキーボードドライバーを使ってJISキーボードを「親指化」している環境で、「和英両モード」において「オアシス風『後退』『取消』キー」を使う方法を解説したものです。

ところが、「PC/AT互換機ノートパソコン＋サニコン製KB211用キーボード・ドライバー」という環境で、この「オアシス風『後退』『取消』キー」を使おうとすると、次のような問題が生じます（以下の説明は 2000年1月19日に改訂）：

KB211では上述の「欠点」で述べたとおり、「オアシス式『後退』『取消』キー」は「和文（かな）」モードでしか使えない。（筆者はいまだこの問題を解決する方法を発見・確認していない。友人からある方法を紹介されているが未検証のままである。）
たしかに、サニコン製KB211用キーボードドライバーを使って、ノート機のJISキーボードを動作させることが出来る。しかも、KB211を取り外している状態で、ノート機の内蔵キーボードを使っているときには、上に挙げた別ページで解説しているキー・スキャンコード入れ替えを行うことにより、「和英両モードでオアシス風後退・取消キーを使う」ことさえ出来る。
しかし、2の設定（＝オアシス風操作実現のためにキー・スキャンコードを入れ替えた状態）のまま、（マシンの電源を切ったのちに）KB211を接続してもKB211は正常に動作しない。2の設定で行っている「オアシス風『後退』『取消』キーのためのキー・スキャンコード入れ替え」を「解除」しないと、KB211は正常には使えない。この解除法はキー・スキャンコード入れ替えツールによって方法が異なる。
それゆえ、この環境において2の設定を行った場合には、KB211の取り外しをするたびに、2のキー・スキャンコード入れ替えの設定／解除を切り替える必要があり面倒である。
4の切替は、Keylay 98 というキーカスタマイズソフト（シェアウェア）を用いると、比較的簡単に行える。（メニューからマウスクリックでキー配列を切り替えるだけ。）
しかし、外付けのKB211の取り外しをする度に、KB211とノート内蔵のキーボードとで、操作感が異なるために混乱が生じ、結局「面倒なぁ～」と感じざるを得ないであろう。

それゆえ、あなたがもし、ノートパソコンにKB211を外付けして頻繁に使用するのであれば、和英両モードで「オアシス風後退・取消キー」を使うことは諦め、KB211流の操作作法に慣れておくべきかもしれません。もちろん、これはあくまでも筆者からのサジェスチョンに過ぎません。

参考： KB211 + サニコン製キーボード・ドライバーで入力できる文字一覧 (2000年1月20日追加)

KB211 + サニコン製キーボード・ドライバー for Win 95 (Ver. 1.02.010, 1999/12/28)入力文字一覧
（※テクニカルな意味での「入力文字集合」の一覧ではない。）

テスト環境

OS： Windows 98 SP1
テスト日本語IME： OAK V6 for Windows および ATOK12

* 1. 日本語IME ON かなモード

** 1.1 日本語IME：OAK V6 の場合

(※OAK V6の「環境設定/キー/キーボード指定」は、「106/109 日本語キーボード」を指定した。ここで「親指シフト(KB211)」を指定してはいけない。なぜなら、OAK の環境設定のキーボード指定でKB211を指定すると、OAK が持っているKB211用のキーボード・ドライバーがインストールされてしまうからである。そうすると、言うまでもなくサニコン製ドライバーは使用できなくなる。)

※"■"印で示した箇所は文字が入力されない(ようである)。
※"BS", "ESC"というのは、それぞれ"Backspace", "Escape"として動作している(ようである)ことを示す。

単独打鍵(親指シフト操作なしに入力する文字)

左手側        右手側
１２３４５    ６７８９０－々￥
。かたこさ    らちくつ，、゛
うしてけせ    はときいんBSESC
．ひすふへ    めそねほ・■

単色同時打鍵(片手の親指シフトで入力する文字)

？／～「」    ［］（）『』￡￢BS
ぁえりゃれ    よにるまぇ￠゜
をあなゅも    みおのょっBSESC
ぅーろやぃ    ぬゆむわぉ￤

二色同時打鍵(文字キーと反対の手の親指シフトで入力する文字)

？／～「」    ［］（）『』￡￢BS
■がだござ    ぱぢぐづぴ■■
ヴじでげぜ    ばどぎぽ■BSESC
■びずぶべ    ぷぞぺぼ■■

※「ヴ」は実際には「う゛」である。

かなモード＋英数小指シフト

１２３４５    ６７８９０－々￥■
。画たこさ    らち区つ，、゛
うして部せ    ぱときいん■■
．ぴすぷぺ    めそねぽ・■

※「画」・「区」・「部」というのは、OAK を OASYS for Win と使う際に利用される「制御記号」入力用のキーである。文字入力で用いるわけではない。

** 1.2 日本語IME：ATOK12（キースタイル：「OAK/Win (106キーボード用）」)

単独打鍵(親指シフト操作なしに入力する文字)

左手側        右手側
１２３４５    ６７８９０－へ￥BS
。かたこさ    らちくつ，、゛
うしてけせ    はときいんBSESC
．ひすふへ    めそねほ・■

単色同時打鍵(片手の親指シフトで入力する文字)

？／■「」    ［］（）せれほーBS
ぁえりゃれ    よにるまぇ゛゜
をあなゅも    みおのょっBSESC
ぅーろやぃ    ぬゆむわぉろ

二色同時打鍵(文字キーと反対の手の親指シフトで入力する文字)

？／■「」    ［］（）せれほーBS
■がだござ    ぱぢぐづぴ■■
ヴじでげぜ    ばどぎぽ■BSESC
■びずぶべ    ぷぞぺぼ■■

※「ヴ」は実際には「う゛」である。

かなモード＋英数小指シフト

１２３４５    ６７８９０－へ￥■
。か゜たこさ    らちく゜つ，、゛
うしてけ゜せ    ぱときいん■■
．ぴすぷぺ    めそねぽ・■

どういうわけか、OAK を使ったときに「画」・「区」・「部」という制御コード入力用に使われるキーで、「か゜」・「く゜」・「け゜」という一見「鼻濁音」入力用とも思えてしまう文字が入力できてしまった。これはおそらく、OASYSの制御コード入力用に用意された設計仕様がたまたまこのような結果を生んでいるのだろう。

* 2. IME OFF, 英数モード

Lower Case

1234567890-^\
qwertyuiop@[
asdfghjkl;:]
zxcvbnm,./\

Upper Case

!"#$%&'()■=~|
QWERTYUIOP`{
ASDFGHJKL+*}
ZXCVBNM<>?_

※"Shift + 0"は文字が出力されない（ようである）。

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