First Written on 09 June, 1999
Revised on September 26, 1999
[トップへ]／[二つ上は： 親指シフト・メインページ]／
[一つ上は： PC機種別環境設定法大全]
※お願い：Internet Explorer 3.0x 使用者は、「表示−オプション−詳細設定」で「スタイルシートを使用する」というチェックボックスを外して下さい。もしくは、ブラウザの「表示フォントサイズ」を一回り大きく(＝「中」以上に)してみて下さい。
今このページを読んでいる読者なら、おそらくご存じの通り、現在ウィンドウズ・パソコンでは、「親指ひゅんＱ」や「Q's Nicolatter」といった「親指化ソフト」(NICOLAエミュレーター)を活用することによって、日本語106/109「JIS」キーボードを「親指シフト化」させて使うことができる。
「親指シフトによる日本語入力を行う」という目的は、それだけでも十分に達成できると言える。しかし、もしあなたがさらに進んで、
といった要望を持っているとしたら、その実現のためには、「日本語IME off 状態でのキー配列(キーマップ)変更」を行う必要がある。そして、そのためには、
ところが、この「組み合わせの設定方法」がパソコン初心者にはちょっと分かりづらいのだ。そこでこのページでは、フリーソフトウェアのVxDキー配列変更ツールを活用して、OADG 日本語キーボードをNICOLA向けにカスタマイズする方法を、実例にもとづきながら詳しく紹介することにした。
system.ini の編集方法を紹介した。その文書を本文書とともに熟読すれば、初心者でも独力でキーカスタマイズができるだろう。Try it at your own risk!
+----+
|半角| ※キー位置の表現法：(例) A＝C01 (C段の01)
|全角|
+----+
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
+--------------------------------------------------------------------------+
E段|` ｀|! ？|" ／|# 〜|$「 |% 」|& ［|' ］|( （|) ）| ｛ |= ｝|~ ~ || ｜|} |
|@ ＠|1 １|2 ２|3 ３|4 ４|5 ５|6 ６|7 ７|8 ８|9 ９|0 ０|- −|^ ^ |\ ￥|] |
+----+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+----+
D段| Tab |Q ぁ|W え|E り|R ゃ|T れ|Y よ|U に|I る|O ま|P ぇ|* |{ ゜| |
| |q 。|w か|e た|r こ|t さ|y ら|u ち|i く|o つ|p ，|: 、|[ ゛| Enter|
+-------+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+ |
C段| Caps |A を|S あ|D な|F ゅ|G も|H み|J お|K の|L ょ|+ っ| | | |
| 英数 |a う|s し|d て|f け|g せ|h は|j と|k き|l い|; ん| Bs |Esc | |
+---------+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+----+
B段| Shift |Z ぅ|X ー|C ろ|V や|B ぃ|N ぬ|M ゆ|< む|> わ|? ぉ| | Shift|
| |z ．|x ひ|c す|v ふ|b へ|n め|m そ|, ね|. ほ|/ ・|_ | |
+--------+---++---+-+--+----+----+----+-+--+----+----++---+-+--+-+--+-+--+-+
A段| Ctrl |Win | Alt |親指左 | 空 白 |親指右 | ひら|漢字 |Win |appl|Ctrl|
| | | |無変換 | |変換 | がな| | | | |
+--------------------------------------------------------------------------+
|
+--------+--------+ |英数Mode|かなMode| |Shift側 |単色同時| |打鍵 |打鍵 | +--------+--------+ |英数Mode|かなMode| |非Shift |単独打鍵| |側打鍵 | | +--------+--------+
[左手指]＋[右親指]で入力← →[右手指]＋[左親指]で入力
+----+----+----+----+----+ +----+----+----+----+----+----+----+----+
| ! | " | # | $ | % | | & | ' | ( | ) | | = | ~ | | |
| | | | | | | | | | | | | | |
+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+-++-+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+
| | が| だ| ご| ざ| | ぱ| ぢ| ぐ| づ| ぴ| * | ゜|
| | | | | | | | | | | | | |
+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+
|う゛| じ| で| げ| ぜ| | ば| ど| ぎ| ぽ| + | | |
| | | | | | | | | | | | | |
+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+-++-+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+--+-+
| | び| ず| ぶ| べ| | ぷ| ぞ| ぺ| ぼ| | |
| | | | | | | | | | | | |
+----+----+----+----+----+ +----+----+----+----+----+----+
|
「オアシス風配列」とはその名の通り、ワープロ専用機である富士通の『オアシス』で開発された親指シフトキーボードのキー配列を、出来るだけマネて作ってみたものである。「あまり似ていないぞ」という声も聞こえてくるようだが……。
ここで紹介する「オアシス風配列」の特徴としては、次のことが挙げられよう：
C11, C12に配置されている。それにともない、D10, D11, E00, E14といった他のキーに割り当てられる文字・機能にも変更がなされている。
「」［］（）『』という四種類のカッコ文字が並んでいるのが特徴である。このうち、『』については現在のウィンドウズではその仕様上キーボードから入力できない仕組みになっているそうだ。OAK
for Windows V5/V6 を添付のキーボードドライバーと一緒に使うと、OADG
キーボードでも『』が入力できるようになるのだが、その方法はあくまでも
OAK 側の「個別的対応策」に過ぎないということである。)
ところで、ここで紹介する例では、オアシス専用機特有の[Tab]キー・レイアウトについては、不採用とした。なぜなら、これを
OADG キーボードで採用しようとすると、[左親指]キーとして[空白]を使い、[無変換]キーを[Tab]キーとするなどの対策をとる必要があり、キーボードによっては親指シフト操作に支障をきたす恐れがあるからである。オアシス専用機特有の[Tab]キーを OADG キーボードの配置変更で実現した例としては、別文書のレイアウト図を参考にしてほしい。(このリンク先の図を見れば、OAK V6 添付のキーボード・ドライバーとOAK
V6の組み合わせでは、上で述べた『』の入力が可能になることも同時に判る。)
この配列「オアシス風配列」を既存の OADG キーボードで実現するためには、次のようにステップを踏んで作業を進める。必ず、STEP 1→STEP 2の順で作業を進めること。
この配列で入れ替えるべきキーは次の通り。
[LCtrl]<-->[Caps] (*注)
[Esc]<-->[半角/全角]の相互入れ替えは行わない。[Esc],
[半角/全角]を各々別個に他のキーと置き換える。
[半角/全角]-->[@]
[Backspace]-->[]]
[:]-->[Backspace]
[@]-->[:]
[]]-->[Esc]
[RAlt]-->[漢字]
(*注：[LCtrl]を[A]の左隣に配置したい人は、[LCtrl]と[英数/Caps]とを入れ替えるとよい。これは不要ならば採用しなくてよい。なお、SwapScan.386 ではこの入れ替えがデフォルトでなされるので、この入れ替えが不要の場合は、system.iniの[SwapScan.386]セクションで、SwapCtrlCaps=noと明記する必要がある。下記参照。)
これらのスキャンコード入れ替えは、SwapScan.386 もくしは Keymap.vxd というフリーソフトウェアを使用して行うことが出来る。
GO FILEFIND )で、作者(河童氏)のNIFTY SERVE ID「JAE00772」を検索キーにして探すことができる。KM95V11.LZH のソフトである。
※SwapScan.386 のインストール方法、及び使用方法全般については、付属の説明文書を参照のこと。
※また、 system.ini の編集方法については、別文書を参照のこと。
system.ini [386Enh]セクションに、以下のエントリーを追加。
<ここから>------
device=SwapScan.386
<ここまで>------
system.ini に以下のセクションを追加。
<ここから>------
[SwapScan.386]
SwapLCtrlCaps=no; [LCtrl]<-->[Caps]入れ替え不要ならば"no",
必要なら"yes"と明記。
SwapHanzenEsc=no; [Esc]<-->[Hanzen]は入れ替えない。必ず"no"と指定。
MapScan=029 01a; [Hanzen]-->[@]
MapScan=00e 02b; [Backspace]-->[]]
MapScan=028 00e; [:]-->[Backspace]
MapScan=01a 028; [@]-->[:]
MapScan=02b 001; []]-->[Esc]
IMEHotRAlt=yes; [RAlt]-->IME on/off key
<ここまで>------
※keymap.vxd のインストール方法、及び使用方法全般については、付属の説明文書を参照のこと。
※また、 system.ini の編集方法については、別文書を参照のこと。
system.ini [386Enh]セクションに、以下のエントリーを追加。
<ここから>------
DEVICE=C:\KEYMAP95\KEYMAP.VXD ;（パスは各自変更してください）
<ここまで>------
system.ini に以下のセクションを追加。
<ここから>------
[KEYMAP.VXD]
Enable=1 ;enable changing keys
Key=003AH,001DH ;capslock,ctrl--->不要ならば、次の1行と合わせて削除。
Key=001DH,003AH ;ctrl,capslock--->不要ならば、前の1行と合わせて削除。
Key=1038H,8000H ;r-alt,alt-`(右[Alt]キーを[漢字]キーとする。)
Key=0029H,001AH;hankaku/zenkaku,@
Key=000EH,002BH;backspace,]
Key=0028H,000EH;:,backspace
Key=001AH,0028H;@,:
Key=002BH,0001H;],esc
<ここまで>------
STEP 1の作業が正しく行われれ、マシンを再起動させたのちに、初めて STEP 2 に入ることが出来る。「親指ひゅんＱ」と「Q's
Nicolatter」には、それぞれ「OYAQL.EXE」、「KMEDIT.EXE」というキー配列変更用のユーティリティが附属している。これらのユーティリティを使いこなす自信のある人なら、STEP
1 の終了後、上の配列図に則って、「親指ひゅんＱ」や「Q's
Nicolatter」使用時の配列変更を行えばよい。
とはいえ、パソコンにあまり詳しくない初心者〜中級者の場合、上記ユーティリティを使って自力でキー定義ファイルを作成することは、予想以上に頭が混乱する作業となる。そこで筆者は、このキー・レイアウト(OASYS V ノート機風)で「親指ひゅんＱ」や「Q's Nicolatter」を使うためのキー定義ファイルを用意した。 (親指ひゅんＱ作者の日笠健氏、Q's Nicolatter作者の堀川久氏の許可を得て公開している。)
AT_OASV.OLY (2,411 bytes)OAV_ATJ.KMD (バイナリー・ファイル 6,291 bytes. )これらのキー定義ファイルを使用するためには、STEP 1に示したスキャンコード入れ替えと併用する必要がある。STEP 1の作業なしにこれらのキー定義ファイルを使っても、所期の効果は得られないので注意。
キー定義ファイルの指定方法：
AT_OASV.OLY を、親指ひゅんＱをインストールしたフォルダにコピーする。
AT_OASV.OLY の「フル・パス」(＝あり場所＆ファイル名)を指定する。この指定を行うには、右横にある[...]という小さなボタンをクリックして「配列データファイルを選ぶ」というダイアログボックスでAT_OASV.OLY を「開く」。
[IME], [親指キー]については、親指ひゅんＱのヘルプを参照して、各自の環境に合わせて設定を行う。
OAV_ATJ.KMD を、Q's Nicolatter をインストールしたフォルダにコピーする。
OAV_ATJ.KMD を「選択」する。